現代の(乾式)直張りによる悩みを解決するため、愛知県名古屋市の岩崎木材(株)が開発したのが4面背割り柱の「4面背割り柱」工法。木材の4面タテ方向に12〜15mmの浅い切溝(背割り)をいれ、人工乾燥する。含水率は8〜10%。乾燥時には4ヶ所の切り溝から木材の熱が逃げるので「従来の半分の時間で中心部、表層部ともに均一に含水率が下がる」(岩崎木材)という。これにより、乾燥過程でおきる引っ張り力を防ぐことができ、「ひび割れ」現象をおさえる。このため、柱に直接、下地材を張っても仕上げ壁に影響が及ばない。真壁のばあいは「4面全部でなく、裏側の3面を背割りにしても効果がある」という。 都市部を中心に9割普及と言われるのが直張り。胴縁を省き柱に下地材を直接張ることで出入り口や廊下の面積を広く(内・外壁両方の胴縁省くと34mm)とれ、また、省力化やコストダウンにつながる。ところが木の乾燥する過程でおきる収縮で壁の凹凸が修正出来なかったり、背割れにもボードが追随できないでボードや(仕上げ)クロスが切れたり、ひび割れも指摘されている。こうしたクレームを避け、乾燥が簡単で低コスト、しかも効率よいなどの理由から、大手住宅メーカーを中心にムク材からの集成材への転換が進んでいる。しかし、効率化一辺倒で環境・健康・リサイクルの面から負荷のかかる、こうした動きも危惧する声が出はじめている。 柱に使う太い芯持材は「ひび割れ」を防ぐため、タテ方向に芯まで鋸目(のこめ)を入れる。12Cm(4寸)角の柱で幅5mm、深さ60mmほど。この鋸目は木材が乾くに従って開きが大きくなる。伝統的な在来工法は鋸目を入れてから数年〜10年も木材を乾燥させ鋸目が開ききった状態(当初の2〜2.5倍)で使う事を心がけ、それでも上棟後の湿度変化によりさらに開くことで仕上げ壁のひび割れや凹凸といった影響が出ないよう、また、柱や間柱寸法の不ぞろいを調整し、壁の凸凹をなくすために用いたのが胴縁。柱と下地材(乾式内壁のばあい石膏ボードなど)の間に17mm厚程度の桟木をヨコ(あるいはタテ)に通し、調整する。

一方背割りと柱(左)と4面に浅い切溝をいれた
4面背割り柱(右)
4面背割り柱とアンカーボルトとの取り合い。
鋸目が浅いのでボルトが柱にしっかり固定出来る。


ボルトやビスの固定不足心配
柱の背割り部分をどこにむけるかは湿式、乾式の工法でちがう。乾式で例えば外壁がサインディングの場合外に向ける。湿式の塗壁の場合は柱間(横)に向きをもってくる。乾式工法の登場に加え、法規制から金物多用を余儀なくされ、背割りと金物の取り合いも悩みとなっている。右図はホールダウン金物のボルトと背割りがかちあってしまい、固定(強度)不足が心配される。左図は山形プレートやカド金物の(中心の)ビスが同じく背割りとぶつかり、ビスの固定不足が心配される。
固定不足の心配をなくす
ホールダウン金物や山形プレートなど金物と背割りがぶつかっても、切り溝が浅いのでボルトやビスが十分に留まる。また、「背割りの位置や金物の堅結位置に悩む事が解消され、手間がかからない」


 
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